経歴

2009
山口県立徳山高等学校理数科 卒業
2014
東京大学法学部第三類(政治コース)卒業
2016
東京大学大学院法学政治学研究科 修士課程 修了
2021
同研究科から博士(法学)取得
2021–2022
日本学術振興会特別研究員PD
2022–
大阪大学大学院法学研究科 准教授

研究関心

著書

『ロシア政治: プーチン権威主義体制の抑圧と懐柔』
中公新書,2025年

参考資料は こちら

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ロシア政治: プーチン権威主義体制の抑圧と懐柔

書評

英語論文

  1. 権威主義的指導者は,政権を固めるため,主要な地方ポストを国家官僚機構に組み込む.本研究は,ロシアの知事の在職後の経歴に関する包括的なデータセットを活用し,プーチン大統領の中央集権化改革の下で,知事の退任が連邦政府の裁量で行われるようになってきたことを実証する.2010年代には,退任する知事が頻繁に刑事訴追に直面した.同時に,知事の連邦政府ポストへの昇進が増加し,厳格な統制と昇進を組み合わせることで,地域ポストが連邦行政機構に組み込まれてきた.

  2. Torikai, Masatomo. (2023) Growing Localization and Fragmentation of Patronal Politics: Ukrainian Local Elections since 2010. Eurasian Geography and Economics, 64(3), 296–321.

    ウクライナの2020年地方選挙では,地域政党が急増し,政党システムが急激に変容した.比較政治学の先行研究は政党システムの漸進的な全国化を検証してきたが,現代ウクライナで観察される政党システムの急速な地域化についてはほとんど議論されていない.本研究は,2010年代の政治過程に関する定性分析と,2010年・2015年・2020年のウクライナ地方選挙結果の定量分析を組み合わせ,政党システムの地方化がユーロマイダン後に急速に権力を拡大した有力市長たちによって引き起こされたことを実証する.この市長権限の増大には主に三つの原因がある.第一に,市長の公選制や市当局の相対的な自治の大きさといった制度的枠組みが,知事などの他の地域アクターとは異なる独自の権限を市長に付与している.第二に,ユーロマイダン後に開始された地方分権改革が市長と市当局の権限を強化した.最後に,ヴォロディムィル・ゼレンシキー大統領による知事の登用パターンと,彼の政党「人民の僕」の候補者選定プロセスが,市長が地域的な権力基盤を構築することを可能にした.本研究は,パトローナリズムの地理的断片化を示すことで,パトローナリズム概念に対する重要な示唆を与える.

  3. 近年,権威主義的後継政党に関する学術的研究が盛んに行われているが,既存の研究の大半は,打倒された支配党の元党員の生存パターンを実証的に検証していない.本研究は,権威主義体制崩壊後の選挙において,旧支配党メンバーがどのような条件下で生き残るかを考察する.ウクライナの全国議会現職議員450名と地方議会現職議員2869名に関する包括的データを活用し,崩壊した与党「地域党」の元党員たちの地域党政権崩壊後の選挙行動・選挙結果を検証した.その結果,個人資源を有する元地域党議員(例えば小選挙区制で当選した議員)ほど,その後の選挙で議席を確保する可能性が高いことが明らかになった.さらに,元地域党議員の政党帰属を分析すると,政治プログラムやイデオロギーよりも選挙戦略が優先された.これらの知見は,権威主義的与党の元構成員にとって,政治的生存において個人の資源が重要であることを浮き彫りにしている.

  4. 権威主義的統治者は,どのような条件下で,そしてどのような方法で国家機構を活用し,選挙での勝利を確実なものとするのか? 本稿はこの問いに答えるため,混合体制における選挙動員を基盤とした知事任命のパターンについて検証する.行政資源を支配する権威主義体制の指導者は,有権者を自陣営へ動員する能力に優れた知事を好む.しかし,いくつかの状況下ではこの戦略は最適とは言えないか,あるいは取ることができなくなる.本論を実証的に裏付けるため,1996年から2017年までのウクライナにおける知事任命・解任の独自データを用いた生存分析を行う.分析結果は,レオニード・クチマ大統領時代において選挙実績が知事任命の主要な決定要因であったことを裏付ける.さらに,支配党の強さ,中央政府内における統治者の権威の強さ,地域分断といった様々な制度的条件が,後任大統領による異なる任命戦略の採用につながったことを示した.

日本語論文

その他